『野狗骨頭(野狗骨头)』第5話では、陳異(宋威龍)と苗靖(張婧儀)が、いよいよ本格的に2人だけで生活を始めます。
第4話では、陳異の父親が亡くなり、苗靖の母親・魏明珍も借金問題を抱えて逃亡。
苗靖は学校の寮で生活しながら、自分でお金を稼ごうとしていました。
一方、陳異も学校を辞め、汽車修理店などで働いています。
そんな2人が再び一緒に暮らすことになるのが、第5話です。
まだ高校生の苗靖と、若くして働き始めた陳異。
お金もない。
頼れる大人もいない。
それでも2人で暮らすことで、少しずつ「家」のようなものができていきます。
学校の寮が使えなくなった苗靖
苗靖は学校の寮で暮らしていました。
ところが、寮の水道管工事のため、一時的に寮生は家に帰らなければならなくなります。
突然、住む場所を失ってしまった苗靖。
普通なら母親のところへ帰ればいいのですが、苗靖にはもう帰れる家がありません。
以前住んでいた家に戻ることも考えます。
しかし、母親が陳異の家を抵当に入れたこともあり、苗靖は「自分にはもう帰る資格がない」と感じています。
母親が悪いことをしたのに、自分だけその家に戻るのは気が引ける。
そんな複雑な気持ちを抱えながら、苗靖は街をさまよいます。
苗靖がネットカフェで働くことに
そんなとき、苗靖はあるネットカフェで求人を見つけます。
募集していたのはネットカフェの管理人・店員。
しかも、ここなら仕事だけではなく、住む場所も提供してもらえます。
苗靖にとっては一石二鳥。
学校へ通いながら夜はネットカフェで働けば、生活することができます。
そこで苗靖は、思い切って働くことを決めます。
昼間は高校生。
夜はネットカフェの店員。
まだ高校生なのに、自分一人で生活費を稼がなければならない苗靖。
見ているだけでも胸が痛くなります。
陳異の弟分が苗靖を発見
ところが、そんな苗靖の姿を偶然見つけた人物がいました。
陳異の弟分です。
ネットカフェで働いている苗靖を見て、
「苗靖がこんなところで働いている」
と陳異に報告します。
陳異は驚きます。
自分の知らないところで、苗靖が一人で無理をしていたからです。
陳異は自分のお金を苗靖に渡す
陳異自身も、まだ決して余裕のある生活ではありません。
現在は汽車修理店で働き、毎月少しずつお金を稼いでいます。
そんな中でも陳異は、自分のお金を苗靖に渡します。
そして弟分に、
「これを苗靖に渡して」
と頼みます。
直接渡せば苗靖が受け取らないと分かっているからです。
陳異は、苗靖に何も言わずに助けようとします。
ここが本当に陳異らしいところ。
「心配している」とは絶対に言わない。
でも、やっていることは完全に苗靖のためです。
陳異、家を掃除する
そして陳異は家に戻ります。
そこで、しばらくまともに生活していなかった家を掃除します。
床を片付け、部屋を整えます。
家の中を少しずつ「人が住める場所」に戻していきます。
なぜそこまでしているのか。
もちろん苗靖を迎えるためです。
陳異は、
「ここに戻ってくればいい」
という気持ちで、家を整えているのです。
陳異が苗靖を迎えに行く
家を片付け終えた陳異は、そのままネットカフェへ向かいます。
そこには、やはり苗靖が働いていました。
陳異は苗靖に、
「家に帰って来い」
と伝えます。
しかし苗靖は素直に返事をしません。
むしろ、わざと陳異を無視します。
そして、
「私のことは放っておいて」
という態度を取ります。
苗靖はまだ怒っていた
苗靖が陳異を避けているのには理由があります。
第4話までの出来事だけではありません。
以前、陳異から
「出ていけ」
と言われたことが、苗靖の心に残っていたのです。
陳異にとっては、そのとき感情的になって言っただけの言葉。
でも、苗靖にとっては違います。
自分にはもう母親もいない。
帰る場所もない。
そんなときに、
「ここから出ていけ」
と言われた。
その言葉は、苗靖にとってとても大きな傷になっていました。
陳異は苗靖を追いかけ続ける
でも陳異は諦めません。
苗靖がネットカフェへ行けば、陳異もついていく。
苗靖がゴミを拾えば、陳異も一緒に拾う。
苗靖が働いていれば、陳異は近くで待っています。
何を言われても離れません。
苗靖に無視されても、怒られても、それでもそばにいます。
これには苗靖も少しずつ心を動かされていきます。
陳異がついに謝る
そしてついに陳異は、苗靖にきちんと謝ります。
以前、
「出ていけ」
と言ったこと。
あれは本心ではなかった。
怒っていたから、勢いで言ってしまっただけだった。
今は自分が間違っていたと分かっている。
だから、
「家に戻ってきてほしい」
と苗靖に伝えます。
普段は絶対に自分から謝ったりしない陳異。
そんな陳異が、苗靖のために頭を下げます。
ここは第5話の最大の見どころです。
苗靖は陳異を許す
陳異の本気の謝罪を聞いた苗靖。
ようやく心を開きます。
そして、陳異と一緒に帰ることを決めます。
2人は長い付き合い。
幼い頃から一緒に過ごしてきたからこそ、お互いの性格もよく分かっています。
結局、苗靖にとって一番安心できる場所は、陳異のそばだったのです。
2人の新しい生活が始まる
家に戻った苗靖。
久しぶりに戻った家は、以前と変わらないように見えます。
でも、大きく違っていたのは――
冷蔵庫の中が空っぽ。
陳異は一人で生活していたため、食事もまともに作っていませんでした。
家というより、
「とりあえず寝る場所」
になっていたのです。
電気まで止められていた
さらに問題が発覚します。
なんと電気代を滞納していたため、家の電気が止められていました。
2人で暮らし始めた初日から、
電気なし。食べ物なし。お金もほとんどなし。
という状態です。
陳異は、
「俺がこの家を支える」
という気持ちで苗靖を迎えたものの、現実はかなり厳しいものでした。
初日の夜はカップ麺
そんな2人を救ったのが、苗靖が持ってきたカップ麺。
電気もない家で、2人は簡単な食事をします。
豪華な食卓ではありません。
でも、久しぶりに2人で同じ家にいて、一緒に食事をする。
それだけで、どこか温かい空気が流れます。
第5話のこの場面は、
「お金はないけれど、やっと2人の家ができた」
という感じがします。
翌日、電気代を払いに行く2人
翌日、陳異は苗靖を連れて銀行へ。
まずは電気代や水道代を払わなければなりません。
ところが、請求額を見た陳異は困ってしまいます。
滞納していた電気代は、約200元。
陳異にとっては決して小さな金額ではありません。
「俺が家を支える」
と言ったものの、実際にはギリギリの生活。
それを見た苗靖は、
「私もお金を出す」
と言います。
苗靖にも少しだけ貯金がありました。
苗靖も生活費を負担する
陳異だけに頼るのではなく、
「自分もこの家を支えたい」
という苗靖。
2人で生活費を出し合うことになります。
この瞬間から、2人は単なる同居人ではなく、
一緒に生活を作っていくパートナー
のようになっていきます。
もちろん、まだ恋愛関係ではありません。
でも、
「どちらか一方が支える」
という関係ではなく、
2人で支える
関係になったのです。
放課後、2人で廃品を拾う
生活費を稼ぐため、陳異は苗靖を連れて廃品を拾いに行きます。
空き缶などを拾うより、金属類のほうがお金になります。
そこで2人は、使われなくなった鉄や金属を集めます。
高校生の苗靖と、若くして働いている陳異。
2人で廃品を集めて、売りに行きます。
決して華やかな生活ではありません。
でも、以前のように一人で苦しむのではなく、
2人で働いて、2人で生活する。
そんな毎日が始まります。
陳異が苗靖に飲み物を買ってあげる
廃品を売って少しお金ができた陳異。
そこで苗靖に飲み物を買ってあげます。
しかも――
自分の分は買わず、苗靖の分だけ。
この小さな場面が、すごく陳異らしいんです。
自分は我慢しても、苗靖には少しでも楽をさせてあげたい。
口ではぶっきらぼうなのに、こういうところは本当に優しい。
苦しいけれど、2人には「帰る場所」ができた
生活は決して楽ではありません。
お金もない。
電気代も払えない。
廃品を拾って生活費を稼ぐ。
それでも苗靖は、以前より少し明るくなっていきます。
陳異もまた、一人で生活していた頃より表情が柔らかくなっています。
なぜなら――
家に帰れば、そこにもう一人いるから。
第5話では、2人にとっての「家」の意味が大きく変わっていきます。
しかし、今度は学費の問題が発覚
そんな生活も長くは続きません。
ある日、苗靖の担任教師が苗靖に声をかけます。
なんと苗靖は、2学期分の学費を滞納していたのです。
学校側も苗靖の家庭事情を知っているため、これまで強く催促していませんでした。
しかし、さすがにこれ以上は待てません。
先生から、
「家族と相談して、できるだけ早く払うように」
と言われます。
苗靖は母親に何度も電話する
苗靖は母親・魏明珍に電話をかけます。
一度ではありません。
何度も電話します。
でも――
母親は電話に出ません。
苗靖は次第に追い詰められていきます。
学費を払えない。
母親にも連絡がつかない。
自分にはどうすることもできない。
そして、ついに感情が崩れてしまいます。
陳異が電話線を抜く
苗靖が何度も電話をかけ続けていることに気づいた陳異。
そこで、なんと電話線を抜いてしまいます。
「もう電話するな」
ということではありません。
これ以上、母親からの連絡を待ち続けて苗靖が傷つくのを見ていられなかったのです。
陳異は苗靖のそばに座ります。
そして、何があったのかを聞きます。
苗靖の学費問題を知った陳異
陳異は、テーブルに置かれた請求書を見ます。
そこには、いくつもの未払いの請求が。
陳異も決してお金に余裕があるわけではありません。
それでも苗靖を安心させるために、
「大丈夫。俺がすぐに払う」
と笑ってみせます。
本当は、どうやって払うかなんて分かっていません。
それでも苗靖の前では弱音を吐きません。
陳異が「台球」で稼ぐことを決意
そして陳異は、自分の得意なことを使ってお金を稼ぐ方法を考えます。
それがビリヤード。
陳異は台球の腕に自信があります。
そこで大会に出場し、賞金を手に入れることを考えます。
優勝すれば、かなり大きな賞金がもらえる。
苗靖の学費を払うためには、この賞金が必要です。
店主から「2位でいい」と言われる
大会には強敵がいました。
しかも、その相手にはかなり強いバックがある。
店主は陳異に、
「優勝を狙わなくていい。2位でいい」
と忠告します。
優勝すれば賞金は大きい。
でも、その相手を負かせば、後々面倒なことになる可能性がある。
だから店主は、陳異に無理をするなと伝えます。
それでも陳異は優勝を狙う
しかし陳異は引き下がりません。
なぜなら、
2位の賞金では足りないから。
苗靖の学費を払うには、もっとお金が必要。
だから陳異は、
「自分が優勝する」
と決めます。
陳異、見事に優勝
そして試合が始まります。
陳異は圧倒的な技術を見せます。
相手が強くても関係ありません。
苗靖のため。
生活のため。
学費を払うため。
陳異は必死にプレーします。
そして――
見事に優勝します。
念願の賞金を手にした陳異。
これで苗靖の学費を払える。
そう思って、賞金を持って家へ帰ろうとします。
しかし――
第5話は、ここで終わりません。
第5話ラスト|優勝賞金を狙う男たち
大会で優勝した陳異。
店主から賞金を受け取ります。
しかし店主は最後まで、
「気をつけろ」
と忠告します。
陳異が優勝したことで、2位に甘んじるはずだった相手の関係者を怒らせてしまったからです。
そして陳異が地下駐車場へ向かうと――
そこには複数の男たちが待ち構えていました。
陳異が賞金を守るために殴られる
男たちは陳異を取り囲みます。
狙いは、もちろん優勝賞金。
陳異は一人。
相手は複数。
勝ち目はありません。
それでも陳異は、賞金を手放しません。
なんとお金を自分の身体の下に隠して、必死に守ります。
男たちから何度殴られても、賞金を離しません。
最後には顔も身体も傷だらけ。
それでも、賞金を握ったまま家へ帰ります。
苗靖には「転んだだけ」と嘘をつく
家に帰ってきた陳異を見た苗靖。
当然、
「どうしたの?」
と心配します。
顔は腫れている。
身体にも傷がある。
明らかに普通ではありません。
でも陳異は、
「転んだだけ」
と嘘をつきます。
本当は苗靖の学費を払うために、危険な目に遭った。
でも、それを苗靖には言いません。
ここでも陳異は、
自分が苦労したことを苗靖に知らせない
のです。
第5話のポイント|「家」が初めてできた2人
第5話で一番大きいのは、やっぱり2人が一緒に暮らし始めたこと。
それまでの2人は、
陳異が苗靖を助ける。
苗靖が陳異を心配する。
という関係でした。
でも、この回からは、
「2人で生活する」
という関係になります。
電気代を一緒に払う。
廃品を一緒に拾う。
一緒に食事をする。
そして、学費のために陳異が働く。
貧しいけれど、2人にとっては初めて本当の意味で「家」と呼べる場所ができたのです。
第5話で見える陳異の優しさ
第5話の陳異は、とにかく不器用。
苗靖がネットカフェで働いていると知れば、お金を渡す。
家を掃除する。
迎えに行く。
無視されても追いかける。
最後にはきちんと謝る。
そして、やっと苗靖が帰ってくる。
さらに学費が払えないと知れば、危険な台球大会に出場する。
優勝賞金を奪われそうになっても、必死に守る。
それなのに家に帰ってきたら、
「転んだだけ」
と言う。
陳異って、本当にこういうところがずるいんですよね。
「俺がお前のために頑張った」
なんて一言も言わない。
でも、行動だけを見ると全部苗靖のため。
第5話を見た感想
第5話は、今までで一番「2人の生活」が見える回だったと思います。
電気も止まっていて、冷蔵庫も空っぽ。
夜はカップ麺。
昼間は学校。
放課後は廃品拾い。
そんな生活なのに、苗靖が帰ってくると陳異がいる。
陳異が帰ってくると苗靖がいる。
それだけで、少し安心できる。
そして個人的に一番好きなのは、陳異が自分のお金で苗靖に飲み物を買ってあげる場面。
自分の分は買わず、苗靖の分だけ。
こういう小さな優しさが、この2人らしいんですよね。
そして最後の台球大会。
「2位でいい」と言われても、陳異が優勝を狙うのは、もちろん賞金が必要だから。
その賞金を守るためにボコボコにされても離さない。
なのに帰宅した苗靖には、
「転んだだけ」
って。
いやいや、絶対転んだだけじゃないでしょ……!😂
でも、そんな陳異だからこそ、苗靖にとっては少しずつ「家族」以上に特別な存在になっていくんだと思います。
第5話は、「相依為命(お互いに支え合って生きる)」という2人の関係が本格的に始まった回でした。
そして第6話はさらに大変。
陳異が優勝賞金を守るために大ケガをした一方、今度は苗靖自身が体調を崩して救急搬送されることになります。陳異は「家族」として苗靖を守ろうと必死になります。
